家族’-2x2-

 目を覚ました瞬間、自分が昨晩どんな行動を取ってい
たかを咄嗟に思い出せなかった。が、目の前に転がる裸
体を見る内に……いかんな、まだまだ欲を満たそうとし
ている下半身の存在に気付く。
 随分猫と天使のストレス解消に付き合った気がする。
張本人達は取り敢えず極上の寝顔を見せ、静かな寝息を
立てているが…。全く、ここ2、3日の眉間の縦皺が嘘
のようだぜ。もっとも俺だってこの件については随分と
ばっちりを受けたし、もう1人の御仁に至っては……。
 「よう、生きてやがったか」
 「早いっすね、先生。高血圧ですか?」
 「人を勝手に年寄りにするねぃ!昨晩は随分激しかっ
たよなぁ」
 「先生も人事みたいに…。一番激しかったんじゃない
ですか?」
 「京介と蒼に火ィ着けられたしな…。これで何かの足
しになんなら、それで好いだろうさ」
 「そんなもんすかね」
 「そんなもんよ。でな、深春。狭いだろうが連れシャ
ワーとでもいかねぇか?」
 「俺、今一寸やばいんすけど」
 「奇遇だな、俺もだよ」
 台詞と同時にシーツを捲って…もしもし?
 「なんか俺より凄くないすか?」
 「手前ェ等に付き合ってると自分の歳ィ忘れて困る。
アフターケアって訳じゃねぇが、一寸尻貸してくれや」
 あの…。幾ら気配り無用の仲だからって少しは言葉選
んでくださいよ!俺だって昨夜みたいなのは女相手でも
野郎相手でも初めてなんすから。
 まあ、開き直らざるを得ない気持ちは御同様。自分の
抱えてる感情が愛情根本じゃなくて欲望根本だったかも
知れないなんて囁かれた日には、つい自棄に走っちまう
もんでしょうしね。
 只其処でなんで俺が先生に尻を貸さなくちゃいけない
のかと言う話なんすが…ま、ね。先生のお歳で俺のを朝
から挿れると言うのは…酷でしょうな。

 …水の音がする。…雨みたい…でもここは部屋の中だ
し…ぼくの部屋、こんなに広かったっけ。
 其処まで考えて一遍に目が覚めた。あ、そうか。昨日
の夜、4人でやっちゃったんだ…。京介に言われて神代
先生に抱きついて、先生の中でいっちゃった、のまでは
はっきり覚えてるんだけど…その後は……あーッ、思い
出すのも恥ずかしいよぉ!後も前も随分おねだりしたよ
うな…。
 そんなぼくを調教した本人はと見れば、……え?
 「おはよう、蒼」
 「おはよう。珍しいね」
 「最近の運動不足が解消できたかな。熟睡出来たよう
だ」
 「……馬鹿」
 元はといえば京介の所為だよ。京介にとってはひょっ
としたら運動の延長線上かもしれないけど、ぼく達にし
てみたらこの行動って愛情表現なんだからね?
 「多分…僕にも判っていないと思う」
 「それじゃ納得できないよ」
 「僕だってしてないさ」
 苦笑混じりな表情で起き上がって、水差しの水を自分
で一口。それから僕に、口移しで一口。
 「多分独占欲だろうと見当は付けたけどね。それでも
まだ疑っている。少なくとも蒼に初めて会った時には抱
かなかった感情だな」
 「神代先生の時も?」
 「ああ」
 「深春の時も?」
 「そうだな」
 くすぐったそうに笑いながらぼくに凭れ掛ってくる。
 「何なんだろうね。苦しくて…とても幸せなんだ。こ
うして置けば皆離れなくて済む…始末の悪い確信犯だね。
…愛想、尽かした?」
 「ううん。多分ぼく達もそうだよ」
 「多分ね」
 「うん、多分」
 コップを京介からひったくって、今度はぼくから京介
へ口移し。ついでに舌なんか絡めてみたりして。
 「蒼?」
 「しよ、京介。燻ったままじゃ、嫌だ」
 「誰に似たんだろうね、本当に」
 二人して苦笑いしながら肌を重ねる。京介となら、い
いや。それに神代先生も深春も一緒なら。理性にはもう
一日、目を瞑ってて貰おう。
《コメント》
どう言えばいいでしょうね、この関係。
PLAYではなくてPRAYの関係だと
思えてしまいます。
始めに肉欲ありき、だったら…
まだ苦しまないでしょうね、此処までは。

家族’-kyosuke-



家族’-mix-

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