熊とナース

世の中天罰っていうのが本当にあるのかもしれない。
先生が風邪をひいて寝込んだのを『鬼の撹乱』だと言
って笑ったら、まさか自分も風邪をひいて熱を出す事
になるなんて。
先生には『熊の撹乱』と笑われ、京介には深春が風邪
をひくとは思わなかったとあきれられた。
全くついていない。。。

「深春、起きたの?」ぱたぱたという足音が近付く。
「蒼、だめだこっちにくるな。」
「今いくからね。」
蒼が俺の寝ている部屋に入ってきた。
「だめだよ。風邪うつるだろうが。」
「平気だよ。僕。」
どうも先日の先生の風邪を看病して以来蒼は妙なこと
に凝りだした。そう、病人の看病に燃えているんだ。
誰かが咳をすればすぐに蒼が飛んできて「薬飲んで」
とすがりつく。お医者さんごっこに夢中らしい。

深春 りんご食べる?」
「りんごか。それ位なら食えるかな。」
昨日はジャムとバターをたっぷり塗ったジャムバター
サンドを食うはめになった。ジャムもバターもパンも
嫌いではない。しかし、風邪で食欲がない時に食うの
にはちとヘビーな食べ物だと俺は思うがな。

「はい あーんして。」俺は子供かよ。
蒼が差し出したスプーンを見て俺は目を丸くした。
蒼のことだ。りんご1個丸かじりさせるかと思ってい
たのに、スプーンの上にはすりりんご?
「蒼 どうやってこれをつくった?」
「前に京介がつくってくれたの見てたもん。」
そう言いながら、あいつはスプーンを俺の口元につき
出す。仕方ないから蒼に食べさせてもらうことにするのだが。。。

「蒼、この手どうした!」蒼の指が目前にきて気付い
たんだ。あいつの細い白い指にある沢山のすり傷。
「なんでもない。。」
「なんでもないって訳ないだろうが。あーあ ほら血
がにじんてるぞ。痛いだろう。」
「・・・・」

 蒼がうつむいてしまった。やばい。大声出して脅か
てしまったか。
「僕・・・ いやなの。」
「へっ? 何がいやなんだ。」
「僕ばかりみんなに何かして貰えるから。僕でも何か
出来ることあるって。。僕。。」
やばい 本格的にへこましてしまった〜
俺の馬鹿 あほ まぬけ!!

「ありがとうな 蒼。」
「深春。。。」
「蒼はなあ、いるだけで十分みんなの役にたっている
と思うけどな。」
「そんなことないもん。」
「先生の飲みすぎを止めることが出来るのは蒼だけだ
ろうが。それに凶悪な位に寝起きの悪い京介を起こせ
るのも蒼だ。」
「・・・ そうかなあ」
「蒼がりんごをすってくれたのすごくうれしいぞ。
でも手を怪我したから心配したんだ。大きい声出して
ごめんな。蒼」
「ううん。深春が心配してくれたの知ってるから。」
「蒼が看病してくれるから風邪なんかすぐ治りそうだ
よ。ありがとうな。」
「うん!」

やれやれ やっとご機嫌の治った蒼は部屋を出ていっ
てくれた。
お医者さんごっこというよりか看護婦さんだな蒼は。
早く風邪なんて良くならないとな。
かわいいリトルナースのためにも。。。
《コメント》
>ああ…出来れば蒼にナース服を着せたい!!
>そう思う自分は変態かしらん?
>(いや変態でショタでコスプレか。。)   安心なさい。管理人もです(爆) のりぞおさんの「しみじみほのぼの」って凄く味があるんですよね。 其れを一読者として読めただけでもかなりのめっけもんだと思います。

「君のいる場所」



「ここにいるよ」

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