その指で教えて
  〜栗山深春の化学実験講座 葡萄瓜Ver/REMIX〜

 蒼の様子が何かおかしい。
 京介と深春が気付いたのは丁度朝飯時。神代教授と
蒼が朝の散歩から帰ってきてすぐの朝飯時だった。
 蒼だけではない。神代教授も少し、おかしい。
 何処が如何、と言う訳ではないが、何かおかしい。
 今日はたまたま家政婦の杉さんが身内の用事の為休
んでいる。教授も京介も拠所無い用事で出て行かざる
を得ない。すると…バイト夜勤明けの深春にお鉢が廻
ってくる、訳だ。
 『悪いけど…』
 『皆まで言うな!蒼は俺にとっても可愛い子供だぞ
?』
 『神代さんには僕から探りを入れてみる』
 『任せた!』
 この程度の会話なら、視線を交わすだけで充分でき
る二人であった。無論その裏には日頃の密接なコミュ
ニケーションが有る事は言うまでも無い。
 「ご馳走様」
 「じゃ、行って来るね、蒼」
 「行ってらっしゃい」
 「……そのぉ…、行ってくるからな、蒼」
 「………行ってらっしゃい、先生」
 この沈黙と気不味さ、只事じゃねぇな。

 ポフポフ。
 礼儀正しく襖が叩かれる。ははぁ、蒼だな。
 「入れよ、蒼」
 入ってくるなり背中に抱きついてくる。フーン…俺
になら相談できる事があったって訳か。
 「どうした?何か判んない事でも出来たか?」
 「うん、あのね……」
 で、俺は頭を抱える事になる。確かに一寸気不味く
もなるかな、こりゃ。
 つまり、今朝蒼と神代さんが見たのは…そのぉー…
何だ、犬の…子孫繁栄の営みっつーか…ま、『交尾』
だ。
 これだけならまだ、いいんだ。保健体育の授業の一
環として教えれば良いんだから。
 問題は、蒼が又別のものも見ていたって事だ。

 「先生と京介も今朝見た犬みたいな事してたんだ」
 「昨夜か?」
 「うん、僕がトイレに行った時、何気なしに先生の
部屋を覗いたら」
 「声はしなかったのか?」
 「よく見えなかったけど、二人ともハンカチ咥えて
たみたい」
 そりゃ又古典的で実用的な防音法を………じゃなく
って!
 ……神代さんとスルのはこの際、許す。元々京介を
『開発』したのは神代さんだし、そのお陰で今のあい
つが居るんだから。
 でもな、子供が居る時は考えろよ!って……あ、考
えたら俺達、3日してねーわ。あいつの体も疼くか。
そして神代さんが聞し召して箍の一寸でも外れてたら
…しちまうよな。俺だったら据え膳をしっかり戴いち
まう。
 「あれって何なの?二人とも変に苦しそうだった…
今朝の犬みたいに」
 「それは…」
 『苦しかったんじゃなくって気持ち良かったんだよ
!』と言いそうになって…俺はつい自分でも予想しな
かった行動を取っていた。
 蒼にキスしたんだ。

 「ほえ?」
 「蒼が好きだから、ついキスしちまった」
 「好きだったら、キスするの」
 「先生と京介も、してただろ」
 「最後にね」
 「好きだったから、あんな事もするんだ」
 「京介、先生が好きなの?」
 「蒼が京介を好きみたいにな」
 「先生も?」
 「ああ」
 「深春は仲間外れ?」
 「いや、京介と好き同志だから」
 「してるの?キスとか…」
 「ああ、してる」
 子供だからと言って誤魔化す事は無い。こう言う形
の『好き』もあるって事を知っておいても良い、と思
う。
 「ぼくにも教えて?」
 「蒼…?」
 「ぼく、京介も、深春も、先生も…皆好きだから」
 泣き出しそうになりながら、でも懸命に。
 よし!こうなったら…。
 「教えてやるよ。先ず、パンツ、脱ぎな」
 なるべく優しく。そして、出来るだけ最後まで行か
ない様に。

 蒼の茂みはまだ淡い。それこそ、春の新しい芝草の
様だ。その中で、又屹立していない、少し大人になり
かけの『蒼自身』が僅かな熱を帯びている。
 「ドキドキしてるか?」
 「少し、深春は?」
 「触ってみな?」
 「わあ、ぼくより強いんだね」
 心拍の話だ。如何な俺でも、大事な弟分にいきなり
恐怖感を植え込む真似をする程落ちては居ない。
 『快感は、ゆっくり覚えていかないとな』
 でも、若いという事は結構欲望に歯止めが利かない
と言う事で…。
 「みは…るぅ…熱い…よぉ…」
 「おしっこが出そうな感じか?」
 「一寸ちが…う…」
 「出しちまえよ、構わないから」
 「きた…ないよぉ…」
 「良いから、出しな」
 耳を舐める様にして囁いてやったのが利いたのか、
次の瞬間、蒼の初めての樹液は俺の掌に零れ落ちてい
た。
 脱力した蒼を抱きかかえていると、正面から冷たい
声が響いた。
 「何を教えているたのかな、深春?」
 南極に吹きすさぶ風よりなお冷たい声。でも、俺に だって言いたい事はある。
 「蒼は寂しかったんだと。お前と神代さんだけ『好 き』の気持ちを通じさせているから」
 「だって、蒼は、まだ子供で」  「体は大人に近い…ってより、大人との境目だよ。 覚え、あるだろ?」  「まあ、ね」  空気が少し和らいだ。  「君に任せたのは半分正解だったかな。……おいで、 蒼」
 「どうするんだ?」 「後は僕が彼に教えるよ。親の務めとしてね」  「そうか、なら、任せた」 「やけにあっさり引き下がるね」 「今夜はあぶれ者同士で愛情確認するさ」 「なるほどね」     そして蒼と二人、自室の布団の上。 「きょーすけ……怒ってる?」
「怒ってないよ。…深春にあそこを触られて、気持 ち好かったの?」
 「んーとねぇ、何かくすぐったかった」
「何か出ただろ?」
「おしっこみたいなの?よく判んない」
「おちんちんの先を触って御覧?まだ少しねばねば する筈だよ」
 京介に促されて、白いブリーフの中に手を入れて探 る。
 「…ホントだ。びょーきじゃないよね?」
「違うよ。好きって言う印の証拠、かな」
 「そうなの?じゃあ、ぼくも自分で、京介の事考え ながらさっきみたいに擦ったら出るの?」
 「出してみたいの?」
「うん!」
 「じゃ、お手本、見せてあげる」

二人とも裸になって、布団の上に座る。
改めて見る京介自身…其れも興奮も露な姿を初めて 見て、蒼は吃驚する。
 「大きい…。大人って、みんなそうなの?」
 「蒼だってそうなるよ。今は可愛いけどね」
本当に淡い繁みを愛しげに撫で、再び勃ち上り掛け た蒼自身を撫でてゆく。興奮を誘う様に、巧みに。
 やがて、蒼の呼吸が微妙に変化し、興奮が露になっ てきた所で、お手本を示す事にする。
 「こうやって…先の少し膨らんだ部分を少し強めに 握って、一寸乱暴な感じで擦ってやるんだ…。其のね ばねばでよく滑るから大丈夫だよ…」
 京介の教え方がいいのか、蒼の全身は興奮で紅く染 まってゆく。
 「…ん…ふゥ…きょーすけェ…」
京介だって興奮している。京介にとって蒼は今まで 本当に保護するべき存在、それだけだった。しかし、
 『此の侭育って…僕の下から旅立って、そして…』
他の存在と結ばれるのかと思うと…。
深春の唆しもあったが、自分から箍を外す気になっ た。所詮エゴ。それでも、手放したくない。

 唇を重ねて、首筋から紅い刻印を残しながらゆっく りと下へ下がってゆく。蒼は抗う余裕も無い。新しく 与えられる恍惚に只身を震わせるばかり。
 「…ぁ…やぁ…」
やがて蒼自身を二つの胡桃ごと口腔内に納めて、愛 撫する。吃驚したらしい蒼に頭を抱え込まれて、視線 を合わせてやると、安心した様に興奮に身を委ねる。
 そして、蒼の二度目の樹液を確りと受け止め、掌に 乗せて見せてやる。
 「いっぱいでたね、蒼」
 「これ、ぼくの?」
 「本当は、飲んじゃいたいけどね」
 「飲めるの?」
 「欲しい?」
首が縦に振られたのを見て取ると、掌の上のエキス を再び口に注ぎ、其の唇を重ねて流し込む。軽く舌を 絡める事も忘れずに。
 「美味しかった?」
 「何か、甘い」
 「其れは、蒼のだから。僕のも、飲んでみる?」
 「くれるの?」
 「あげる。舐めてくれたら出るよ?」
 幼い舌が、京介に奉仕する。そして迸って、蒼の口 元から飲み込みきれなかった蜜が一筋。
 『今日は此処まで』
 そう京介は一人ごちる。長期戦でいこう。愛しみな がら、染めて行けば良い。
 「美味しい?」
 「又、くれるよね?」
 「蒼にならね。さあ、寝ようか」
猫と天使は安らかに眠りについたが…熊と調教師は 徹夜になったらしく…翌朝沈没していたのだった。
《コメント》
以前吹雪さくやさんに差し上げた
「栗山深春の化学実験講座 葡萄瓜Ver」の
独立作品としてのREMIXで御座います。
うーん…この傾向ならすらすら書けるのに(苦笑)
改めてさくやさんに贈呈させて戴きました。

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