夢路にて

『今年のクリスマスは、完全に無理をしちまったな』
神代宗は苦笑いをしながら、布団の隅に丸まった寝巻きを
引き寄せた。午前3時。大騒ぎのクリスマスパーティー
終了から2時間経過しての不意の目覚めだ。ふと腕を見れば
紅い刻印が3パターン、確り刻まれている。
「手加減の無い連中だぜ、あったくよぉ…」
悪態を吐きながら、それでも嬉しさを隠せないのは
どんな形ででも「家族」で居る事が出来たから。それに
この快感、嫌いかと言われれば寧ろ好きな方だ。
思い出すと滴り落ちて来る。始末をしておこうと便所へ
向かう彼の頭の中に声が響く。
『宗』
この呼びかけをするのは確か一人だけ…でもそいつは…。
迷いを振り切って声の響いた方向へ目をやる。
「G.C?」
「久しぶりだね」
夢路からの訪問者は微笑んだ。

少し寒いが庭に出る。
月光とうっすら雪化粧のコントラスト。
目の前の男の綺麗さは変わらない。変わり様が無いか。
20年と言う時を省略したのだから。
「娘の所には行ったのか?」
「ああ。幸せそうだった。彼女の所には毎年行っているんだ」
「何故、今年は俺の所にも?」
「手っ取り早く言えば嫉妬、かな?」
「男相手にか?」
「あの頃の君から思いも付かなくてね。宗旨替え?」
「違う。喪いたくないからだ」
「そう、か」
天使の仲間入りをしてしまった、天使めいた青年の自嘲。
「僕も、あの時そう言うべきだったな」
「G.C…」
「好きだよ、そう。あの頃から、ずっと…」
「遅ェや。バーロー」
不意に泣きそうになる。多分知っていたのだ。あの時も。
ただ、変わってしまう自分が怖かった。
「両手を、貸してくれないか?」
「?」
「せめて、今夜もう一度だけ。…良いだろうか?」
抗うつもりは、端から無かった。

右手が屹立を辿って蕾へ滑り込む。左手は胸の突起を
撫で摩り、時に軽く抓る。あの時のままの甘い愛撫だ。
「G…C…」
名前を呼ぶと、口付けられる感触。頼りない実体感。
目をあけると半透明な彼の存在が在った。離すまいと
思って懸命に舌を絡める。唾液が甘い。
「欲しい…」
叶わぬかも知れないと思いつつ、ねだる。
右手が引き抜かれ、不思議な充実感が広がる。そして、
流れ込む。

夢は訪れ、そして、去っていった。
《コメント》
アントネッラ父、再登場であります。
クリスマスという事で不意に思いついた彼の存在。
神代教授が欲に目覚めた事で
訪れる事が可能になったと言う…
…これ以上コメントは求めないで下さい。

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