赤い密室

火村と、差し向かいで座る。まあ滅多にある事ではないが、
いい年をしたオッサン同志が隣り合って座って指を絡めている
…と言う図は自分でも御免被りたい。相手だって同じだろう。
それにある程度の距離感もある。何しろ炬燵を挟んでの
差し向かいだ。一応二人とも日本人なのだし、この有難い
暖房機能を洋間だからといって排除するなんて
無粋な真似はしたくない。そんな二人の共通見解もあって、
私の家のダイニングはフローリングであるにも拘わらず、
冬には絨毯が敷かれ、炬燵が鎮座ましますのだ。
今年は更に愉しみも一つ増えた訳だが…。

「…随分、濡れ方早ないか?」
「ぬかせ。お前の弄り方のせいだろう?いつの間に
人の弱点を掴みやがった?」
「語るに落ちたな?袋撫でが弱点か…よっしゃ、覚えた!」
「お前がまめだとは判っていたが…足の爪も滑らかだな?」
「言っとくがこの時の為や無いで」
会話の内容は際どいが、お互い表情はいつも通り、のつもり。
服装だっていつも通りだ…少なくとも上半身は。
炬燵に隠れた下半身はお互い生まれたまま。
この冬加わった愉しみは、炬燵を挟んでの相互慰めだ。
知り合いの落語家が細君とそう言う戯れをしていたと聞いて
火村に持ち掛けた所、興味を持って飛びついてきたので
今日も実行している訳だ。
火村の方を見れば、表情こそ冷静だが、耳はかなり赤い。
濡れ具合からしても相当感じているのは間違いない。
奥の手を遣わせて貰うか。こっちもそろそろ限界だ。
「ひでお」
効果覿面。息が乱れてきた。
「…姑息な奴だな」
「いつもお前からやったら狡っこいわ。偶には俺から遣らせ!」
「そう言う台詞は腰遣いを上達させてから言え!」
其の一言と同時に、開かれる感触。
「器用な…ッ、親指や…なッ!」
「それだけじゃないぜ」
竿を挟まれてリズミカルに扱かれる。掌とは又違った感触に
意識が遠退きそうになる。こっちも負けてはいられない。
彼の油断をついて、こちらも蕾に一撃!
「…ッ…フッ…」
相当感じたらしい。自慢ではないが、私の足の親指は
標準よりもやや長め。それを根元までしっかり差し込んだ
のだから、多少の快感はあるだろうと思っていたが…
予想以上の効果だ。
瞳が潤んできたのを確認して攻守逆転!親指を回転させ、
片足全体で竿から袋までを揉み解してやる。よしよし、
段々息が上がって来た。そして最後の仕上げ。
「イってまえや。英生」
「……!」
全身の硬直と爪先の夥しい濡れ方。そして、私に向けた歓喜の
涙に濡れた瞳。

「このプレイええわ。筋肉痛が最小限で抑えられる」
「…覚えてろよ、アリス。夏は氷を挿れてやるからな」
「其れまでに俺に慣らしたるわ!」
冬の夜長は、結構長いしな。
《コメント》
作家の方の変態度が上がってる様な気が…^^;
「賞味期限の切れない内」ネタ2です。
「知り合いの落語家云々」の部分、恐ろしい事に
実話であります。S亭T師匠が実際に奥さんと
なさっていたとか…。世間は広いなぁ(遠い目)

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