初体験
「うーん もう少し明るい色がいいみたい。」
「蒼、もういいだろう。」
「ああ、駄目だよお やっとマスカラつけたのに。」
「皮膚呼吸が出来なくて苦しいんだが」
「そんなの気のせいだって!」
なぜ僕達が化粧をすることになったのか。
きっかけは僕宛に届いた小さな小包。
高校を卒業しにと化粧品メーカーが無差別に送っ
てきたらしい。そしてどうやら僕の名前は女性と思わ
れたらしく。。(涙)
道理で最近「成人式には晴れ着を」なんてDMが届く
はずだよ。
まあどんな物だか開封して説明書を読んでいるうちに
試してみたくなった。1人で退屈してたしね。
1人で鏡に向かい悪戦苦闘しているところにたまたま
京介が遊びにきた。
僕の顔を見て笑った罰として京介に化粧をしてあげる
ことにしたんだ。
で、お互いの顔を見て大笑いしようと思ったのに。。
「京介、すごくキレイ。」
「蒼もかわいいよ。」
しまった! 僕達みたいな元がいい2人に化粧なんて
したら美しくなるのは当たり前じゃないか。
どうせ笑うなら深春とか先生みたいな土台の人にしな
いと無理だってこと忘れてたよ。
「なんかシャレにならないよね。」
「ああ・・・」
顔を見合わせて笑う。その目の奥がうるんでいるのは
なぜなんだろう。
京介の手をつかみ無言で奥の部屋へ行く。
ベッドの上に京介を押し倒すともう言葉はいらない。
服を剥ぎ取り、自分の服を脱ぎ捨てる。
白い京介の胸にくちづけると赤い花が咲く。
僕の口紅がついたみたい。
おもしろくてあちこちにキスをする。
あっという間に京介の身体に咲いた赤い花。
お返しにとばかりに僕の身体にも鮮やかなオレンジ色
の花を咲かせる京介。
まるで子供のふざけっこみたいだけど、下半身が熱く
堅くなってくるのは大人の証拠。
我慢できずにくわえたのは僕。
先端に息をフーッってかけたらそれだけで涙をこぼす
敏感な京介。嘗めてあげるともう爆発寸前。
「あ、蒼、ち、ちがう」
欲張りだなあ。ここでは不満みたい。
「まず濡らさないと。あっ」
触ったそこはもうとろけてるみたい。
「イヤらしいな。化粧されて感じたの?」
「だ、だって。。」顔を真っ赤に染めて言い訳する。
「いいんだ。僕も京介の唇に口紅塗ってるだけでイキ
そうになったもの。」
僕の身体の下で震える身体。
化粧した顔はまるでいつもと違う人のよう。
そんなキレイな顔を歪めて押し寄せる激情に堪えてい
る姿はすごくいやらしい。
「あぅ、も、もう」
彼を抱き締めたままお互い達してしまう。
震える身体をしっかり抱き締めたままの僕。
すると京介の白い指が優しくつつく。
「蒼。。」
「ん 何?」
「化粧はきちんと落とさないと。」
その声を聞いて京介の顔を見て驚いた。
「す、凄い」
「えっ?」
汗と涙で顔はぐちゃぐちゃ。
アイシャドーもマスカラもとれて目はパンダのよう。
「蒼の顔もすごいけど。」
僕は京介をそっと抱き起こした。
「お風呂に入ってまた。。」
「はっ?」
とりあえず抱き抱えて風呂場へ向かう。
もしかしたら続きは浴室でかもね。うふっ
《コメント》
先ず、自分にツッコミ。
「何で歌舞伎の隈取の壁紙やねん?」
…お化粧系の和風でBLとなるとこの
辺なんです(汗)御免して。
のりぞおさんの知人の化粧体験が
ベースとの事ですが…案外似合わないと
思える顔の人が化粧映えしてしまう事っ
てあるらしいです。じゃ、深春なんか…。
時期的なイメージで暦の間に決定(爆)
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