闇夜に
いっそ戯れるのならば、思い切り乱れてしまった方が好い。
一瞬だけでも愛しさが強烈に記憶されるから…。
蒼は深春の部屋のドアを開けた瞬間、息を呑んだ。
「…京介…?」
紛う事無く其処に居たのは桜井京介。文字通り、輝く裸体で。
グリーン系統を基調に紅い星、黄色い星の蛍光ペイント。 首筋から胸板を巡って彼自身を達せぬ様に 束縛する真紅の絹リボン。
何の上に腰を降ろしているのかと思ったら…深春の腰の上に、だ。 無論深春を呑み込んで。深春も深春で全身を煉瓦色に染め、 まるでツリーを支える鉢の如く、だ。 「そう言う趣向な訳?」
呆れた様に言いながら服を脱いでゆく蒼に深春が声をかける。 「どうせ一夜の夢ならば…ってな。若いな。もう先走ってる じゃねぇか」 「これで興奮しなきゃ嘘でしょ?…イきたい、京介?」
自らの興奮を露にして、蒼が京介の二つの胡桃を弄んで 問い掛ける。問い掛けた其の口で胸の桜桃を舐りつつ。
「…ん…ッフッ…」
喘ぐだけで精一杯。視線で訴えたのは…。
「喉、渇いたでしょ?」
口移しにブランディー。オプションで舌を絡ませる。
リボンで飾られた…束縛された?…京介自身は青白く 輝いている。深春もお揃い。芸が細かいよね。 「…僕からも…二人…にっ…」
言いかけるが…一度イった方がいいか。其の方が落ち着いて
リクエストに応えられる。
青白く輝く柱を蒼が含んだ其の瞬間、 口の中に栗の花の薫りが濃厚に漂った。
「これを、着けていてくれないか?」
と、京介から示されたのは…どう見ても見覚えのある形を した玩具だ。しかもご丁寧に青白く輝いている。
「ぼく等も、挿れておく訳?」
「どうせなら其処まで愉しんでみてもいいだろう?」 「味覚えちまったらどうするんだよ?」
「僕で良ければ相手をしてあげるよ?吐き出すのも快感だけど、 呑み込むのもかなり深く満足できるしね。どう?」
強烈な誘惑。深春も蒼も、其の誘惑の前には為す術が無い。
まず深春が受け入れる。これは結構スムースにいく。尾篭な
話だが、出すものとの比例の問題だ。
「こいつァ凄ェ…た…しかに…乱れ…るよ…なァッ…」
京介に挿れている時よりも更に快感を示して乱れる深春。
それを喉を鳴らして見つめる蒼。
「そんなにイイの?深春?」
「蒼。…お前も…ッ…味…わえよ…」
「蒼は少し慣らしてあげようか。さあ」
促されて蕾を京介の顔面に向ける。京介の舌が小刻みな リズムを刻み、徐々に中へと忍び込んでくる。
「…んんっ…ふうっ…んん…」
声をあげた方が楽だと理性で判っていても、出来ない。 成程。これが羞恥の快感に繋がるのか…と冷静になる 自分は頭の片隅。只乱れて快感を貪る自分が其処にいる。
「力、抜いてるんだよ。ゆっくり挿れるから」
一瞬引き裂かれるような痛み。そして、後から追いかけてくる むず痒い快感。後はひたすら本能に従うだけだ。
「じゃ、愉しもうか?」
玩具に翻弄される深春の上に京介が腰を降ろす。口には蒼を
含んで。蒼の体にもいつしか色とりどりのペインティングが
為され、それがなお興奮を誘う。
そう。所詮泡沫の関係。ならば一瞬の愛しさに狂って焼け
死んでしまえれば好い。
京介がそんな思いを抱いていたかどうかは、定かではないが。
《コメント》 さくやさんに送信して12時間後のUP(爆) のりぞおさんとの競作第2弾! お題は「桜井京介X'masツリー」です(核爆) +αで「深春受」序章を…チョコッと。 最近はようやく理屈が遠退きましたね。純粋煩悩(苦笑) でも、「家族’」みたいなのもまた書いてみたいものです。