20世紀の終わりに

あと6時間か。時計を見て思わず溜息。ミレニアムだの何だのと
浮かれる一方で2000年問題がドーチャラコーチャラと騒がしかった
去年の年末と違い、街は妙に静かだ。だから、余計に気が滅入る。
下の方の新たな欲求不満…これはもう、立場が同じのあいつに
相談した方が早いか。あいつも悩んでいるなら一石二鳥。
解消して次に進んだ方が好い。

「よう」
「どうしたの?大晦日に」
「だから来たんだ。いいか?」
「泊まる?」
「出来ればな」
「深春なら、いいや。散らかってるけど、どうぞ」
悩んだ末に押しかけた蒼の部屋。面喰っている様だが、
一夜の宿を提供すると言う事は、何か感づいているかもな。
こいつも多分俺と同じ欲求不満を抱いている筈だ。
寧ろ、俺よりもこいつの方が性質悪いかな。感情が絡んでるだけに。
そう。俺達の欲求不満とは「京介に抱かれたい」と言う事だ。
今まで二人とも京介を「抱く」事で共有してきたが、
今年のクリスマス、京介に玩具を遣って体の開発を
されてからどうもおかしい。
疼くのだ。本能的に、といっていい程。
思わず指を差し入れて慰める事一晩に3回。
昨日は本当に其の刺激だけで達してしまった。
いきなり京介を受け入れるのもいいが、問題は、京介自身が
容姿とは違い非常に雄雄しいと言う事だ。それで少し躊躇っている。
矢張り少しでも練習は必要だ。と言って、道具で慣らすのも味気ない。
蒼の大きさなら大丈夫かも知れない、とやっと決心がついたのは
夕べ3回目の後ろへの慰めを終えた後。蒼には悪いが、奴のは
京介よりは小さい。と言っても、最大時は俺とタメを張る瞬間がある。
お互いに慣らし合いをして事納として、事始は京介に夫々
抱かれればいい。俺は其のつもりだった。

「シャワー、終わってからでいいよね?」
軽く食った後で、ベッドに腰掛けて蒼に確認される。
「やっぱ判ってたか」
「ぼくもこうしたと思うし。除夜の鐘が終るまでには
お互い慣れておこうよ」
台詞と同時に俺を揉み解してゆく。いつもの俺なら抵抗するが、
相手は蒼だし、抱かれるつもりで来たのだから湧き出てくる
快感に身を委ねる。
「案外綺麗なんだね、深春って」
覗き込まれると流石に恥ずかしい。それに、喋る息で刺激されて、
気が遠退きそうになる。そりゃ、今まで遣ってなかったからな。
「でも、誘ってるんだ。うっすらと口開けてさ…。可愛い」
そう言って、味わう様に俺の蕾を舌で開いてゆく。
突き、舐り、舐め上げて。変に指で遣るよりも感じてしまう。
もしも濡れるのならば、其れこそ溢れている事だろう。
その代わり柱が爆発寸前だ。
「あ…おっ…」
髪をまさぐる俺の声に含まれた哀願を聞き届けたのかどうか、
後ろへの手段を指に代え、深く呑み込んで、喉の奥で刺激を加える。
あっけなく、暴発してしまった。
「ご馳走様。少し薄いね」
猿みたいに遣ってたからな。クリスマス以来。
「まあ、指3本入ったし、大丈夫だと思うよ。
自分でも遣ってたでしょ?」
「お前もだろ?」
「うん。後で相手してね?」
「其の前に」
蒼自身に触れて、片方の手で、ぐっと引き寄せる。
「俺をしっかり満足させろな?遅咲きの快感は、しつこいぞ?」

解れているとは言え、潤滑油は必要だ。蒼の先走りが丹念に
塗り篭められる。そして、抉じ開けて、徐々に進入。
「…やっぱ…でかいよな…」
「深春…力…抜いて…よ」
自分で出来れば苦労しないよ、莫迦。
それでもようやく貫通して、律動が加わると、快感は加速する。
俺が始めて男の精を受けたのは、20世紀が終る3時間前の事だった。
蒼は1時間前。

「後は事始だな。先に行くか?」
俺の提案に蒼は、
「お年玉の先渡しだね」
照れ臭そうに笑った。
《コメント》
年末年始企画『大晦日編』であります。
しかも深春受!なんだかなあもうと言った感じです。
お正月には、京介も出してあげよう^^;

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