RETURN!「お兄ちゃん、おしっこ」 夜中に揺り起こされて、ぐいぐいと袖を引っ張られる。…手加減して くれないかな?只でさえ力が強いのにさ。 「一人で行けるだろ?男の子なんだし…」 「あのおトイレ、怖いんだもの」 くらくら…理性がそんな擬態語付きで倒れてしまいそうになる。…か、 可愛い!可愛すぎる! でもこれはぼくが彼の事を判っているから抱く感想。 もしもタッパ185の筋骨隆々とした髭面男に「お兄ちゃん」と甘えかか られて嬉しいと言う人が居るとしたら…其れは間違いなく「その筋」の 人だと思う。 ぼくだってパニックしてるんだよ?深春がぼくに甘えかかってくるな んて…信じたくない光景でしょ? どうして深春がそうなってしまったのか。答えは簡単。転んで頭を打 ったのだ。其れも、罰当たりなことに御地蔵様に頭をぶつけて。 幸いにして御地蔵様も無事だったし、深春の頭も瘤程度で済んだ。 と、思ったら、深春がいきなり子供に還っていたんだから…何と言え ばいいんだろう。 京介には、 「昔手間をかけた恩返しをするいい機会だね」 と言われてそっぽ向かれちゃうし、こんな時に限って神代先生はご多 忙。は〜ァ…。 暗くなってしまった気持ちを盛り上げて、とりあえずトイレへ。今夜 はこんな状況だし、本来の主は当分帰って来ないけど神代先生の家に二 人で泊まらせて貰った。京介?彼も別件で今夜は帰って来ない。だから、 別の意味で少し不安。 「前で待っててあげるからね」 「やだい!」 地団駄を踏む。今の時間考えろよっ!いい歳をして…って、多分幼稚 園に上がる前程度、か。結構可愛らしい性格、していたんだな。 「此処に居てあげるから、怖くないでしょ?」 「…一緒に入ってくんなきゃ、ヤダ…」 潤んだ目で見られて、体の奥が熱くなるのを感じる。多分、抑え利か ないからね。どうなっても、責任は持てないね、きっと。 「そうだね、一緒に入ろうか」 予想通りに進行する手順。 「お兄ちゃん、出して」 便器の前に立ったままぼくを促す。少し理性の躊躇いがあったけど、 パジャマごと下着も脱がす。そして、精神年齢には似合わない立派な彼 に指を添える。気付かれない様に少しづつ愛撫するのも忘れずにね。 あ、体は本能に忠実なんだ。ゆっくりと頭を擡げて来る。 「あ…やぁ…変…」 もっと変にしてあげる。 蕾にも指を伸ばす。いきなり中には入らず、撫で摩って、柔らかくし てゆく。少なくとも経験は無い筈だけど、反応はかなり好い。思い切っ て、舌を這わせる。 「汚い…よぅっ…」 悲鳴のような、喘ぎのような。無意識なんだろうけど、誘った深春が 悪いんだからね。ぼくだって男なんだから、好きになった人は抱きたく なる。卑怯と謗られたって好い。こんな絶好の機会、逃したくは無い! 後ろからは舌で、前は指で攻め立てられて深春はもう立っていられな いみたいだ。と、思ったら、 「ひゃぁっ…ふぅっ…!」 水鉄砲の様に噴射して、其の反動で後ろに倒れて、タイルで思い切り 頭を打って失神! 「み、深春?」 流石に其の侭にして置く訳には行かないのでとりあえずの後始末をし て布団まで引きずって行く。頭の後ろを触ってみれば見事すぎる瘤。 あーあ、満身創痍と言ったところだね。 この状況では流石に欲情するどころじゃ無い。彼に目覚めて貰うのが 先決だ。祈りを込めて、布団の上の彼をじっと見つめる。 「…っふわ〜あ。何だ、蒼?どうかしたのか?」 余りにも暢気な深春の声。思わず抱きついて、大泣きしてしまった。 矢張り、いつもの彼がいい。快感の続きは、又今度、正面からぶつか って機会をもぎ取る事にしよう。其れまでは、あの愛らしさを思い出し て一人で愉しむしかないか。 (了) 《コメント》 ショタな深春…ああっ、石投げないで(哀願) これはのりぞおさんが某掲示板で持ってきた話題を 捏ね繰り回している内に、ふっと降りてきました。 最初は最後まで…と思ったのですが、この状況で 其れをすると、蒼自身が傷付きますしね。 如何でしょうか? |