熱い冷たさ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　どう言う運びでこんな事になったんだろう？
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　気が付けば僕達は氷を運ぶゲームに興じていた。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　どうも世間では良く知られているゲームらしい
　　　　　　　　　　　　　　　　　　が、これを単なる知人と一緒に出来るという神経
　　　　　　　　　　　　　　　　　　が僕には理解出来ない。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　只でさえ僕は、他人との接触が苦手だ。目の前
　　　　　　　　　　　　　　　　　　の彼等と接する様になってから其れも随分世間並
　　　　　　　　　　　　　　　　　　みの感覚になったが、矢張り苦手だ。だからつい
　　　　　　　　　　　　　　　　　　他人とは距離を置きたくなる。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　でも、この目の前に居る「家族」とは…一般接
　　　　　　　　　　　　　　　　　　触はおろかそれ以上の関係でも平気で受け入れる
　　　　　　　　　　　　　　　　　　事が出来るのだから…不思議だ。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　トントン。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　肩をつつかれて我に帰る。深春がやや唇を突き
　　　　　　　　　　　　　　　　　　出し加減にして待っている。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「悪い」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　短く詫びて口移しに氷を受け取る。随分小さく
　　　　　　　　　　　　　　　　　　なった様だ。でも、仕込んであるものはまだ流れ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　出す気配は無い。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　でも、周りの氷に混ぜた分は効いて来ているか
　　　　　　　　　　　　　　　　　　な？深春は覿面に効いている様だし、蒼も神代さ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　んもうっすらと頬が上気している。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　そして氷のバトンを蒼に渡す。瞬間、神代さん
　　　　　　　　　　　　　　　　　　と目が合う。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　『仕込みやがったな？』
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　視線で問われて…誤魔化しは利かないだろうか
　　　　　　　　　　　　　　　　　　ら小さく頷く。ゲームに興じると言うならば、こ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　う言う味付けもしないとね？

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　カリッ！
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　そして、氷は最終的に深春の口の中で砕けた。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　まあ、妥当な線かな？蒼には何だかんだ言っても
　　　　　　　　　　　　　　　　　　これ以上はきついし、神代さんも僕もそう言う力
　　　　　　　　　　　　　　　　　　を借りずとももう火が付いている。一番素直に萌
　　　　　　　　　　　　　　　　　　えない彼に当たったというのは的確だったろうと
　　　　　　　　　　　　　　　　　　思う。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「……っふぅ…京…す…け…？」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「欲しい？どう言うのが、欲しい？」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「計画的かよ…参ったな…」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　苦笑いしながら僕を抱き寄せて、充分過ぎるほ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　どの熱さを押し付けてくる。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「俺の…中に…」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　お望みとあらば。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　解す必要も感じられないほど柔らかい蕾に筒先
　　　　　　　　　　　　　　　　　　を押し当て、一気に挿し入れる。一瞬息を呑む音。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　そして、緩慢な締め付け。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「蒼も…来い…よ」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　え？と躊躇う蒼の背を神代さんが押す。そして、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　覚悟を決めて深春の正面に回りこむ。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「入るかな？」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「一寸…拡げてみな？」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　案外拡がるものだ。そして、僕が突き上げると
　　　　　　　　　　　　　　　　　　同時に蒼の侵入。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　後はもう、言葉は要らなかった。


　　　　　　　　　　　　　　　　　　《コメント》
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　此処まで邪まで良いんだろうか？
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「桃色倶楽部」からのサルベージネタです。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　京介が主犯だとは…書くまで考えてませんでした。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ましてや２本なんて…(汗)