蓮の台

 年ィ取って見ると、昔の人間の言う事が本当に身に染みる。男特
有の生理現象とはいえ、まだ元気だと何となしに嬉しいもんだ。
 もっとも、元気だからと言って朝っぱらから一つ布団に寝ている
相手を押し倒す趣味なんざァ俺にはない。だからな、京介。頼むか
ら俺に凭れ掛って弄るのはいい加減止めろ!お前が昼行灯になる手伝
いを俺がしてどうするんだよ!

 いい加減、か。まったくだぜ。
 こいつと肌を重ねたのは、こいつが俺の家に来たその日の夜だ。確
かに今より若かったし元気だったと認めるし、人肌も恋しかったけど、
な。
 …其れまでに男と肌を重ねたのはただ一度きりだった。その娘は今
イタリアの空の下、元気過ぎる程だ。でも、あン時はお互い、遊びと
割り切ってたからまだ気楽なもんだった。
 でも、こいつは…。

 「…ッ…くぅッ…」
 「大丈夫なのか?…ッ無理は…すんな…ヨッ…」
 「へ…いき…ンッ…も・・っと…」

 誘って来たのもこいつなら、進んで俺の上に跨ってすんなりと受け
入れたのもこいつ。
 『慣れてやがる…何処で覚えた…?』
 一丁前に嬌声を上げるまだ幼さの残る美貌に罪悪感を覚える。と、
同時に肉欲に飢えを覚える自分が居るのを知る。
 欲に任せて杭を打ちこむ。ますます高くなる嬌声。でもちぐはぐな
ものが一つ在った。
 俺を見返したその目は、肉欲に狂った人間のものではなかった。

 其れからもう15年か。
 別に毎夜体を重ねた訳じゃない。あいつの疼きを俺が押さえる、そ
んな感じだ。蒼や深春が居た時も…幾度かは有ったな。多分勘付かれ
てるだろうが。
 最初はかなり面食らった。でも、何とか判った気がしないじゃない。
 こいつは…俺を繋ぎ止めたかったんじゃねェかな?
 こいつが俺ン家に来るまで、何が有ったかは知らん。しかし、体を
重ねでもしないと安心できないと言うのは…其れなりの事情があった
んだろう。其れを責める事は、俺には出来ない。
 
 「蓮の台の上でまで、相手させるつもりかよ」
 「まさか。其れまで神代さんが生きてくれればの話でしょう?」

 冷静に会話しつつ、俺を飲み込む準備をしてやがる。
 好いんだけどな、お前がこの世界に居てくれるってンなら。
 とりあえず、二人欲望に身を任せるかな。今日は午後から出れば良
い。
 そして俺は京介に飲み込まれ…半日どころか一日寝こむ羽目になっ
た。ちったァ加減しやがれ、コンベラバア!
《コメント》
本当にどんな話書いているんでしょうね、このオヤジは(爆)
某京介総受サイトに触発されて書きましたが…
この後で連載の構想が浮かんでしまったんですよね…。
まだこの段階では葡萄瓜の話、薄いです(苦笑)
連載で吹っ切ってしまいましたね(核爆)

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