朝の情景

                    そのつもり、つまり身体目当てで接近遭遇し
                   た覚えは、多分無い。
                    あいつだって多分そうだろう。何てったって
                   露悪趣味&偽善者だったしね、俺達。
                    でも、あいつを可愛いなんて…つい想像の中
                   で裸エプロン(其れも純白フリルでレースだぞ
                   ?おい!)を着せてにやけてた俺も居たのは事
                   実な訳で…。でも、なァ…。

                    俺がその朝目覚めたのは爽やかな日差し故に
                   ではなく、腰の奥深くから響いた鈍痛の所為だ
                   った。相手は…外見に似合わずタフなものでと
                   うの昔に起きて朝飯の用意なんてしてる訳。よ
                   しよし、腹は順当に空いてるな。でもこの痛み
                   ……腰だけじゃなくて全身の筋肉が悲鳴を上げ
                   ているのには参るよな。
                    「カゲリ、生きてる?」
                    「呼吸はしてる」
                    「起きれそう?」
                    「ベッドの上でならな」
                    あーあ…又好き放題刻印刻んでくれちゃって
                   …嫌いじゃないから良いんだけどさ。皆思い切
                   り騙されてるんだろうなー。カズミって、この
                   行為の時にはホント容赦無い。今でこそもう慣
                   れたけど、最初の頃なんて翌朝声出すのさえし
                   んどかった。カズミに言わせると、
                    『カゲリの感度が良すぎるんだよぉ』
                    …だ、そうだが……カズミのマンションの防
                   音設備に感謝。俺の部屋じゃ確実に近所に筒抜
                   けだろうな。人目を忍ぶ所の話じゃないって。
                    腕を伸ばして枕許を探る。灰皿発見!傍には
                   ちゃんとはハイライトの新しいパッケージとラ
                   イターも。そっか、昨日切れてたんだった。買
                   ってきてくれたんか。マメな奴。
                    腹這いになって(下半身は幸い頭同様だらっ
                   としてる)起き抜けの一服。……しみじみと、
                   旨い。
                    「シーツは焦がさないでね?」
                    トレイに俺の分の朝食を載せてきたカズミの
                   お声掛り。……こんな姿勢の時に見せるんじゃ
                   ない!裸エプロンを!一瞬にして元気になった
                   分身が引っかかって痛いんだよ!
                    「わざと遣ってんだろ?」
                    「カゲリの反応が可愛くって。可愛さ余って
                   苛めたくなる事って、無い?」
                    「生憎そんな良い相手に引っ掛かった事、今
                   迄無いんでね。…っててて…偽善者の上に隠れ
                   サドかよ…なんでこんな奴に引っかかったんだ
                   か」
                    とりあえずやや横向きになって引っかかった
                   『俺』を開放してやる。すっかり元気になって
                   やがんの。本体の筋肉は悲鳴上げてるってのに。
                    で、苦笑いしながら、流れでキス。あ、深い
                   な。こりゃ一戦交えるつもりか?
                    「ちょいタンマ」
                    半分程度まで喫っていた起き抜けの一服を始
                   末して、改めて口付けに酔う。こう言う方面も
                   確り教育されてる。悪酔いしないのは有り難い。
                    でも、ホンの少し、こいつにこう言う教育を
                   施した奴に嫉妬。ちぇっ。俺が最初で居たかっ
                   たよな。
                    「カゲリの味って、不思議と飽きないんだよ
                   ね。煙草の所為かな?」
                    「…莫迦」
                    純情ぶった台詞の裏で下半身はもうお互い臨
                   戦状態。若さ故とはいえ、好きだね、俺達。
                    「とりあえず、栄養補給、な?」
                    「すぐ消費するだろうけどね?」
                    共犯者の様に、視線は生々しく絡み合ってい
                   る。



                    《コメント》
                      ネタばれSSから鍋にお引越分です。
                      タイトル変更の上、加筆訂正を入れ
                      ました。壁紙も変えました。
                      ……いきなり逆転するか、オッちゃん…。

PC用眼鏡【管理人も使ってますがマジで疲れません】 解約手数料0円【あしたでんき】 Yahoo 楽天 NTT-X Store

無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 ふるさと納税 海外旅行保険が無料! 海外ホテル