実験が出来ればそれで良い、と思っていたの
よね。自分にも関わる事だし。
でも、思わぬ所で得した気分だわ。差し支え
なかったら直ぐに連絡廻すんだけどな。
「出来たわよ」
「例のブツ?」
「そう。リクエストのもの。一応動物実験は
成功してるわ。副作用なし」
「サーンキュー♪流石持つべきものは」
「陰謀仲間、でしょ?可哀相ね、服部君も。
こんな鬼畜な愛人を持って」
「時々盗聴器仕掛けるくせに良く言うぜ…。
まさか灰原の事を別の方面で知ってるなんて思
わなかったぜ」
「私も、まさか蘭さんが愛読者だったなんて
ね。…灯台下暗し、だわ」
全く小学生らしからぬ会話であるが、中身が
年上なんだから仕方が無い。ましてや片や東の
名探偵、片や闇の天才薬剤師・兼有名同人作家
である。コナンが新一だった頃、蘭の部屋で覗
き見た同人誌「西から来た探偵」(バリバリ18
禁!)の作者、オンドレカンドレこそ今の灰原
哀である。内容はと言えば…平次×新一であっ
た。
「でも実際は逆っぽいもんね」
「俺が受けるのがそんなに良いのか?」
「色っぽいのよね。冷静な顔ほど乱れさせた
くなるのよ」
「…お前、目が笑ってないぞ…」
思わず退くコナンである。
「で、どうするの?人体実験」
「勿論遣るさ。被験者の目星付いてるしな」
「いきなりでも良いと思うけど?」
「どうせなら愉しもうぜ?」
「また鬼畜な事考えてるでしょ?」
「見学、1名様紹介だけど?」
「話、聞かせて」
その夜、午前2時。
「へえ…アルコールと一緒だと効果が出るの
も早いなー」
「さっさと味見したら?」
ベッドの上に横たわっていたのは苦みばしった
良い男。でも、20年経てばちと崩れそうな髭面…
何処かで貴女も見た事がある筈。何処か所ではな
く、しょっちゅう。
「オッチャンもこんな時があったのかよ…」
「江戸川君、涎」
「悪ィ。2錠飲んだからって、結局1回イった
ら効果が切れるんだよな」
「の、筈よ。副作用も大丈夫だと思うけど…こ
の人、下品な位生命力あるし」
「じゃ、戴きます♪」
口一杯に若かりし毛利小五郎自身を頬張る江戸
川コナン…倒錯の一瞬である。
「美味しい?」
「又一味変わって。下半身と意識が此処まで見
事に分離してるのも珍しいんじゃねぇの?」
「多分ね。にしても、一寸悪趣味じゃ無い?」
「どうせなら愉しまなきゃ損!ってね。デジカ
メ構えてスタンバッてる女にゃ言われたかねーな」
寝言と寝返り。目を醒ましそうな感じだ。
で、哀が鼻先にアトマイザーを一吹き。再び意
識は沈んでゆく。
「…ふぅ…ん…ぐぅ…っ!」
コナンの唇の端から、白い筋が垂れる。
「結構美味いよな。もう1回、実験、いいか?」
そして、服部平次の若返りに話は発展する(汗)